このページの要点
- 代理人が権限内でした行為は本人に直接及ぶ(民法99条1項)ので、委任状の範囲がそのまま本人の責任の範囲になる。
- 署名押印、金銭の受領、和解など重い権限は、対象・金額の上限・方法を特定して別に書くか、含めない旨を書く。
- 委任による代理人は、本人の許諾かやむを得ない事由がなければ復代理人を選任できない(民法104条)。復代理の可否は委任状に書く。
- 自己契約・双方代理は、本人があらかじめ許諾した場合を除き、代理権のない者の行為とみなされる(民法108条)。許諾するなら条件を特定する。
まず結論:範囲は個別の事項で挙げ、重い権限は別に明示する
代理人に何を任せるかを決めるとき、考え方は二つに分かれます。一つは、「○○に関する一切の件」のように、包括的に任せる書き方。もう一つは、手続や行為を一つずつ挙げて任せる書き方です。契約書作成の実務の経験をもとに言うと、後者を基本にして、特に重い権限だけを、さらに別に明示する書き方が、本人にとっても相手方にとっても分かりやすくなります。
理由は単純です。代理人が権限内でした行為は、本人に直接効力を生じます(民法99条1項)。つまり、委任状に書いた範囲が、そのまま本人が責任を負う範囲になります。範囲が広ければ広いほど、本人は、自分が想定していない行為についても責任を負う可能性が生じます。逆に、相手方にとっては、範囲が不明確な委任状は、権限を確かめられない書面になります。
特に慎重に扱いたいのは、後から取り戻しにくい権限です。契約書に署名押印する権限、金銭を受け取る権限、和解や合意をする権限、代理人を別の人に頼む権限。これらは、通常の「手続の遂行」に含まれていると読めるとは限らず、含めるのか含めないのかを、委任状の中ではっきり書いておくほうが、争いを避けられます。
権限の範囲は、本人・代理人・相手方の三者に関わる
範囲を超えた行為の扱いは、白紙委任状の危険で整理します。
権限ごとの書き分け:何を任せ、何を任せないか
権限は、行為ごとに分けて考えると整理しやすくなります。次の表は、一般的な場面で委任状に書かれることの多い権限と、書き分けの考え方をまとめたものです。表のとおり、同じ「手続を任せる」でも、どこまで任せるかで書き方が変わります。
権限ごとの書き分けの考え方
| 任せる行為 | 書き方の考え方 | 気をつける点 |
|---|---|---|
| 交渉・打合せ | 相手方と内容を協議する権限。決める権限とは別に書く | 協議する権限だけなのか、合意まで決めてよいのかを分ける |
| 書類の作成・提出 | 申請書や届出書の作成、提出先への提出、補正への対応 | 作成する書類の名称と、提出先を特定する。内容を変更する権限を含めるかを書く |
| 署名・押印 | 契約書などに、本人の代理人として署名押印する権限 | 対象の書面(契約の相手方、目的、金額の上限)を特定して書く |
| 契約の締結 | 契約を結ぶ権限。条件の上限・下限を書く | 金額、期間、目的物の範囲を条件として示すと、範囲を超えにくい |
| 契約の変更・解除 | 結んだ契約を変更、解除する権限 | 締結の権限とは別に書く。含めないなら含めない旨を書く |
| 金銭の受領 | 代金、返戻金などを受け取る権限 | 金額、受取の方法(振込先の口座名義)、現金を受け取るかどうかを書く |
| 金銭の支払 | 代金などを支払う権限 | 支払の上限額と対象を書く |
| 和解・合意 | 争いをやめる合意をする権限(民法695条) | 互いに譲歩する内容に及ぶため、通常の手続の委任とは別に明示する |
| 裁判上の行為 | 訴訟など裁判手続での代理 | 別の法律(民事訴訟法)で、代理人の資格と特別の委任事項が定められている |
| 復代理人の選任 | 代理人が別の人に任せる権限 | 認めるのか、認めないのか、本人が承諾した者に限るのかを書く |
| 自己契約・双方代理 | 代理人自身が相手方になる、相手方の代理人を兼ねる行為 | 原則として代理権のない者の行為とみなされる。許諾するなら条件を特定して書く |
この表のうち、「交渉・打合せ」と「契約の締結」の書き分けが、実務ではよく問題になります。「交渉」を任せたつもりが、契約の締結までされた、あるいは、「契約」を任せたのに、条件を決められなかった、という食い違いです。本人が条件を決め、代理人は条件の範囲内で手続を進める、という役割分担なら、条件の上限・下限を委任状に書いておくと、代理人も相手方も迷いません。
委任状(権限を分けて書く例)
私は、○○○○を代理人と定め、次の事項に関する権限を委任します。
1 委任する事項:○○に関する○○契約の条件交渉、および契約書の作成
2 条件の範囲:金額は金○円を上限とし、期間は○年を超えない範囲とする
3 署名押印:上記契約の契約書に、本人の代理人として署名押印する権限を含む
4 金銭の受領:含まない(代金は本人名義の口座に直接振り込まれる)
5 契約の変更・解除、和解:含まない
6 復代理人の選任:認めない
7 有効期間:令和○年○月○日から、上記契約の締結まで
令和○年○月○日
- 委任者(本人) 住所
- 委任者(本人) 氏名 印
権限を項目に分け、含める事項と含めない事項を並べた一般的な書式の例です。条件の数値や期間は「○」に置き換えています。
この例では、契約の交渉と書類の作成は任せつつ、条件は本人が上限を決め、金銭の受領、変更・解除、和解は含めず、復代理も認めていません。任せる範囲と任せない範囲が項目ごとに見えるため、代理人は何をしてよいかが分かり、相手方は権限を確かめやすくなります。反対に、これらを一つの文にまとめると、読み手によって範囲が変わります。
署名押印・金銭の受領・和解など、重い権限を別枠にする考え方
署名押印の権限は、対象の書面を特定して書く
契約書への署名押印は、その契約を本人の名で結ぶ行為です。「手続に必要な書類に署名押印する権限」という書き方では、どの書面にでも署名押印できるように読めます。署名押印の権限を与えるなら、対象の書面(契約の相手方、目的、金額の上限)を特定して書きます。そして、署名は、本人のためにすることを示して行います(民法100条)。
金銭の受領の権限は、方法まで書く
代理人が金銭を受け取る場面では、受取の権限がなければ、相手方が代理人に支払っても、本人に対する弁済として当然には認められません。反対に、受領権者としての外観を有する者に対してした弁済は、弁済をした人が善意で、かつ過失がなかったときに限り、有効とされます(民法478条)。この規定があることは、委任状に受領権限を書く必要性を否定するものではなく、むしろ、相手方が権限の有無を確かめる必要があることを示しています。
本人にとっては、代理人が金銭を受け取ったあとの流れが重要です。代理人は、委任事務を処理するに当たって受け取った金銭その他の物を、委任者に引き渡さなければなりません(民法646条1項)。引渡しの時期と方法は、委任状ではなく、本人と代理人の間で決めておきます。受領を認めるなら、委任状には、金額の上限、受取の方法(振込先の口座名義は本人とするなど)を書いておくと、受領後の混乱を減らせます。
書き方の例(一般的な例) 金銭の受領と署名押印の書き方
金銭の受領
理由金額の上限と受取方法が決まっていると、代理人も相手方も範囲を確かめやすい。現金を除けば、受領後の管理も明確になる。
署名押印
理由対象の書面を特定すると、別の契約書への署名に使われる余地を減らせる。
和解・取下げなどは、通常の手続の委任と分ける
和解は、当事者が互いに譲歩してその間に存する争いをやめることを約する契約です(民法695条)。互いに譲歩する以上、本人が持っていた権利の一部を手放す行為を含みます。そのため、「手続の遂行」を任せるという一般的な委任の中に含まれていると、当然には読めません。含めるなら、「○○に関する和解をする権限」と、はっきり書くことが望ましい権限です。
参考になるのが、裁判手続での考え方です。民事訴訟法は、訴訟代理人は委任を受けた事件について弁済を受領できるとしたうえで(同法55条1項)、反訴の提起、訴えの取下げ、和解、請求の放棄・認諾、控訴・上告、代理人の選任などについては、特別の委任を受けなければならないと定めています(同条2項)。通常の取引や手続の委任状は、この条文が直接適用されるわけではありませんが、重い権限は別枠で委任を受ける、という考え方は、委任状を書くときにも参考になります。
なお、訴訟代理人については、法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ訴訟代理人となることができない(簡易裁判所では許可を得て弁護士でない人を訴訟代理人にできる)と定められています(民事訴訟法54条1項)。裁判手続の代理は、一般の取引や手続の委任状とは別の枠組みで規律されている、という点を押さえておけば足ります。官公署の手続との関係は、官公署の手続の委任状で整理します。
復代理:代理人が別の人に任せてよいか
代理人が、さらに別の人に代理を任せることを、復代理といいます。委任状で任せた代理人が、事情があって別の人に手続を頼みたい、ということはよくあります。この場合の扱いは、代理人の種類によって違います。
条文復代理に関する条文
- 民法104条委任による代理人(任意代理人)は、本人の許諾を得たとき、またはやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任できない書面では委任状に、復代理人を選任できるかどうかを書く
- 民法105条法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任できる。やむを得ない事由があるときは、本人に対して選任・監督の責任のみを負う書面では未成年者の親権者など、法律で代理人になる人の場面
- 民法106条復代理人は、その権限内の行為について本人を代表し、本人および第三者に対して、権限の範囲内で代理人と同一の権利を有し義務を負う書面では復代理人に与える権限は、代理人の権限の範囲を超えない
- 民法644条の2受任者は、委任者の許諾を得たとき、またはやむを得ない事由があるときでなければ、復受任者を選任できない書面では代理権を付与する委任では、復受任者の選任も、委任者の許諾が原則として必要
委任状による代理人は、民法104条のとおり、本人の許諾を得たときか、やむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任できません。したがって、委任状に何も書かなければ、代理人が自由に別の人に任せることはできない、というのが原則になります。実務では、この原則を踏まえて、委任状に復代理について書く方法がとられます。
書き方の例(一般的な例) 復代理の書き方
復代理を認める場合
理由誰が復代理人になるかを本人が把握できると、権限の行使を管理しやすい。
復代理を認めない場合
理由原則は認められないとしても、書いておくほうが、代理人にも相手方にも明確になる。
復代理人に権限が移っても、本人にとっての代理人は、あくまで最初に選んだ人です。復代理人を認めるなら、代理人に、復代理人の行為について責任を持たせるのかも、本人と代理人の間で決めておくと、あとで食い違いが生じにくくなります。
代理人と本人の利益が相反する行為、代理権の濫用
自己契約・双方代理は、原則として許されない
同一の法律行為について、相手方の代理人として行為したり、当事者双方の代理人として行為したりすると、代理権を有しない者がした行為とみなされます(民法108条1項本文)。たとえば、代理人が、本人の持ち物を自分で買う契約を、本人の代理人として結ぶ、といった場面です。これを自己契約といいます。さらに、代理人と本人との利益が相反する行為も、同じく、代理権を有しない者がした行為とみなされます(同条2項本文)。
ただし、債務の履行と、本人があらかじめ許諾した行為は例外です(同条1項ただし書)。利益相反の行為についても、本人があらかじめ許諾した行為は例外とされます(同条2項ただし書)。この「あらかじめ許諾した」を、書面で示すのが、委任状の役割の一つです。
書き方の例(一般的な例) 利益が相反する行為の許諾の書き方
自己契約の許諾
理由許諾の対象となる取引と条件が特定されていると、本人が許諾した範囲を相手方が確かめられる。
許諾しない場合
理由許諾しないことを書くと、許諾していないことが明確になる。
代理権の濫用は、相手方の認識で左右される
代理人が、自己または第三者の利益を図る目的で、代理権の範囲内の行為をした場合でも、相手方がその目的を知り、または知ることができたときは、その行為は、代理権を有しない者がした行為とみなされます(民法107条)。つまり、代理人の権限の範囲内の行為であっても、目的が不当で、相手方がそれを知り得たときは、本人に効力が及びません。
委任状の書き方との関係では、取引の目的や条件を書いておくと、相手方が「この取引は、本人の目的に沿っているか」を確かめやすくなります。相手方としては、委任状の範囲と、取引の内容に不自然なところがないかを確かめることが、後から効力を争われないための備えになります。
権限の定めがない場合、代理人の選び方、範囲を超えたとき
権限の定めがないと、できることが限られる
権限の定めのない代理人は、保存行為、および、代理の目的である物または権利の性質を変えない範囲内での利用・改良を目的とする行為しかできません(民法103条)。保存行為とは、現状を維持するための行為です。たとえば、期限が迫っている手続を、期限内にとる、といった場面が考えられます。一方、財産を売ったり、権利を手放したりする行為は、権限の定めのない代理人にはできません。
確認の問いと理由権限を書く前の問い
その手続は、一つの行為で終わるのか、複数の行為が連なるのか
一つなら個別に書き、複数なら、どの行為まで含めるかを区切って書きます。
代理人が決めてよい内容と、本人が決めるべき内容は何か
条件、金額、相手方の選択など、本人が決めるべき内容は、代理人の権限に含めず、条件として委任状に書きます。
金銭の受領や署名押印を含めるか
含めるなら、対象と方法を特定します。含めないなら、含めない旨を書きます。
代理人が別の人に任せることを認めるか
認めるか、認めないか、本人が承諾した者に限るかを書きます。
代理人が相手方になる可能性はあるか
ある場合は、許諾するかどうかと、許諾の条件を書きます。
範囲を決める順序
- 任せたい手続を行為に分ける「契約を結ぶ」なら、条件を交渉する、契約書を作る、署名押印する、代金を受け取る、といった行為に分けて書き出します。
- 本人が決める事項を取り出す金額、期間、相手方の選択など、本人が決めるべき事項は、代理人の判断に任せず、条件として委任状に書きます。
- 重い権限を一つずつ判断する署名押印、金銭の受領、変更・解除、和解、復代理を、含めるか含めないかを一つずつ決めます。
- 含める権限に、対象と上限を付ける含めるなら、対象の書面、金額の上限、受取の方法などを特定します。
- 含めない事項と有効期間を書く含めない事項を明示し、手続の完了までなど、期間を区切ります。
順序を飛ばして先に文面を整えると、重い権限が書かれていないのに含まれて見える、という食い違いが起きやすくなります。
相手方の立場から見ると、委任状の範囲が分かりにくいときは、本人に直接確認すると、行き違いを避けやすくなります。範囲が不明確なまま手続を進め、後から権限を争われると、手続のやり直しや損害が生じる可能性があるからです。相手方が確かめておきたい点は、次のとおりです。
確認の問いと理由相手方が委任状の範囲について確かめる問い
今回の手続は、委任事項に書かれているか
書かれていない行為は、代理人に権限があるとは限りません。書かれていないなら、本人に確認するか、新しい委任状を求めます。
金銭の受領や署名押印を含むか、含まないか
書かれていなければ、含むとは読み切れません。含むと書かれていても、対象・上限・方法が特定されているかを見ます。
取引の条件が、委任状の条件の範囲内か
金額や期間の上限が書かれているなら、範囲内かどうかを確かめます。範囲を超えれば、権限外の行為になり得ます。
代理人が、本人の目的に沿っているか
取引の内容が不自然なとき(代理人や第三者の利益になる取引など)は、代理権の濫用になり得ます(民法107条)。
代理人の選び方は、本人の責任になる
制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができません(民法102条本文)。たとえば、未成年者を代理人に選んだ場合でも、その未成年者がした代理行為は、未成年者であることを理由に取り消せません。したがって、代理人を誰にするかは、代理人の判断力や信頼性を踏まえて、本人が慎重に決める必要があります。
範囲を超えた行為の扱い
代理人が権限の範囲を超えて行為した場合、その行為は、原則として本人に効力を生じません。ただし、本人が代理権を与えた旨を第三者に表示していたときや、代理人に権限外の行為をする権限があると信じる正当な理由が第三者にあるときは、本人が責任を負う場合があります(民法109条・110条)。本人が追認すれば、契約の時にさかのぼって効力を生じます(民法116条)。これらの扱いは、白紙委任状の危険で整理します。また、権限の範囲を書くときは、委任状の書き方の項目に沿って、委任しない事項まで明示するのが基本です。
起きがちなこと
代理の範囲をめぐって、実務でよく見られる場面を、場面別にまとめます。
場面別の起きがちなこと
- 「一切の件」と書いて、範囲が争いになった本人は手続の遂行だけを任せたつもりでも、相手方や代理人が、契約の締結や金銭の受領まで含むと読んだ。
- 金銭の受領を任せたら、受取の方法が決まっていなかった代理人が現金で受け取り、本人への引渡しが遅れた。受取方法と引渡しの時期を決めておけば防げる。
- 代理人が別の人に任せてしまった委任状に復代理の定めがなく、本人が誰に任せたかを把握できなかった。
- 代理人が自分と取引をした利益が相反する行為で、本人があらかじめ許諾していなければ、代理権を有しない者がした行為とみなされる。
- 重い権限を、通常の手続の委任に含めて書いた和解や契約の解除まで任せたつもりがなかったのに、含まれていると読まれた。別枠で書けば防げる。
- 代理人の判断力に不安があった制限行為能力者が代理人でも、代理行為は取り消せない。本人が選ぶ段階で慎重に判断する必要がある。
よくあるご質問
代理人が、さらに別の人に頼んでもよいですか。
委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、またはやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任できません(民法104条)。委任状に何も書かなければ、原則として別の人に任せることはできません。認めるなら、本人が承諾した者に限るなど、条件を書いておくと安心です。
代理人は、本人の代わりにお金を受け取れますか。
受け取る権限が委任状に書かれていれば、代理人は受け取れます。権限の有無が不明確なまま支払うと、支払った側が、受領権者としての外観に対する善意・無過失の弁済として保護されるかどうかが問題になります(民法478条)。委任状に、金額の上限と受取の方法を書いておくのが安全です。代理人が受け取った金銭は、本人に引き渡す義務があります(民法646条1項)。
「一切の件」と書いたら、代理人は何でもできますか。
書いた文言だけでは、範囲が明確とはいえません。含まれる行為の範囲は、委任状全体や取引の内容から解釈されます。署名押印、金銭の受領、和解など、重い権限は含まれるのかどうかで争いになりやすいため、含めるなら個別に書き、含めないなら含めない旨を書くことをおすすめします。
代理人が、本人と自分との間の取引を委任状に基づいてしてもよいですか。
同一の法律行為について、相手方の代理人として行為するなど、自己契約や双方代理にあたる行為は、本人があらかじめ許諾した場合を除き、代理権を有しない者がした行為とみなされます(民法108条1項)。許諾する場合は、取引の内容と条件を特定して書きます。
代理人が、委任状に書かれた範囲を超えて契約したらどうなりますか。
原則として、本人に効力は生じません。ただし、本人が追認すれば、契約の時にさかのぼって効力を生じます(民法116条)。また、相手方が代理人に権限があると信じる正当な理由があるときなどは、本人が責任を負う場合があります(民法109条・110条)。詳しくは白紙委任状の危険で整理しています。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の場面への当てはめは、書面を出す相手、手続の種類、当事者の関係によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、契約書作成の実務でよく見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は現行の規定にもとづいて書いています。官公庁の手続の様式や必要書類は、提出先の案内で確認してください。参考: e-Gov法令検索 / 個人情報保護委員会 / 法務省 / 消費者庁