このページの要点
- 委任状は代理権を与える書面、承諾書は相手の求めに応じて認める書面、同意書は説明後の了解の記録、念書は一方が差し出す約束。
- 契約の成立に書面は要らない(民法522条2項)。書面は証拠で、保証契約のように書面が効力の要件になるものもある(民法446条2項)。
- 署名や押印は成立の真正を推定させる(民事訴訟法228条4項)が、内容が有効かどうかは別の問題。
- 一枚に委任・承諾・同意・免責を混ぜず、項目ごとに分けて同意欄を置く。
まず結論:4種の書面は「誰が、誰に、何を差し出すか」で見分ける
委任状、承諾書、同意書、念書は、どれも「署名をもらう一枚の紙」に見えます。そのため、題名だけで書面を選んだり、別の場面で使った書面の題名だけを書き換えて使い回したりすることが少なくありません。しかし、この4つは働きが違います。契約書作成の実務の経験をもとに整理すると、違いは「差し出す人」「受け取る人」「生じる効果」の三つで言い表せます。
委任状は、本人が代理人に「私に代わって、この範囲のことをしてよい」と権限を与えたことを示す書面です。承諾書は、何かをしたいと求めてきた相手に対して、承諾する立場の人が「その内容でかまいません」と答える書面です。同意書は、説明を受けた人が「内容とリスクを理解したうえで了解した」ことを残す書面です。念書は、約束をする人が一方的に差し出す書面です。どの書面も、署名する人が何を引き受けるのか、受け取る人がそれで何をしてよくなるのかが、題名ではなく本文で決まります。
4種の書面の比較(差し出す人・受け取る人・効果の中心)
| 書面 | 差し出す人 | 受け取る人 | 生じる効果の中心 | 手がかりになる条文 |
|---|---|---|---|---|
| 委任状 | 本人(代理権を与える人) | 代理人。実際には、代理人と取引する相手方や提出先に示される | 代理人が権限の範囲内で本人のためにした意思表示が、本人に直接効力を生じる | 民法99条(代理行為の要件及び効果)、643条(委任) |
| 承諾書 | 承諾をする立場の人(所有者、権利者、親権者、取引先など) | 承諾を求めた人 | 承諾が必要な行為を進めてよい根拠になる。申込みに対する承諾なら契約が成立する | 民法522条1項(契約の成立)、612条1項、467条1項など個別の規定 |
| 同意書 | 説明を受けた人、情報を提供する人 | 説明をした人、事業者 | 説明を受けて了解した事実の記録。法令が同意を要件とする場面では、その要件を満たす材料になる | 民法5条1項、個人情報保護法18条1項・27条1項など個別の規定 |
| 念書 | 約束をする人 | 約束を受ける人(署名しないことも多い) | 一方的な約束の差し入れ。中身によって、契約、確認、贈与の約束などになる | 内容に応じた規定(たとえば民法549条・550条) |
この表のとおり、同じ「署名をもらう紙」でも、差し出す人が本人なのか、承諾する第三者なのか、説明を受けた相手なのかで、書面の骨組みが変わります。書面を作る前に、まずこの三つを言葉にしてみると、題名の選び間違いを防げます。
委任状と承諾書:代理権を与える書面と、「いいですよ」と答える書面
委任状は、代理人の権限を示す書面
代理人が、権限の範囲内で、本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接効力を生じます(民法99条1項)。たとえば、本人に代わって代理人が契約を結べば、その契約の当事者は本人です。ここで、代理人が本当に権限を持っているのかを、取引の相手方が確かめる手段として使われるのが委任状です。
代理権を与えること自体は、書面がなければできないわけではありません。契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式は要りません(民法522条2項)。それでも委任状が使われるのは、相手方にとって、代理人と名乗る人の言葉だけでは権限を確かめられないからです。委任状は、相手方に対して「この人に、この範囲の権限を与えています」と示すための書面だと考えると分かりやすくなります。
委任状が働く三者の関係
委任状を作るのは本人ですが、委任状を読んで判断するのは相手方です。相手方が読んで権限の範囲が分かるように書くことが、委任状の要点です。
なお、委任状という名前は、法律上の用語ではありません。民法は、法律行為をすることを相手方に委託する契約を委任と定めています(民法643条)。委任契約は事務処理を頼む約束で、代理権の授与は、その事務を本人の名で行うための権限を与えることです。実務では、この二つが同時に行われ、一枚の委任状で済ませることが多いため、両者が混同されがちです。詳しい書き方は委任状の書き方で、代理の範囲の決め方は委任状の代理の範囲で扱います。
代理人と使者は違う
委任状を考えるときに紛らわしいのが、代理人と使者の違いです。代理人は、自分で内容を判断し、本人のためにすることを示して意思表示をします。使者は、本人がすでに決めた内容を、そのまま相手に伝えたり、書類を届けたりする人です。たとえば、すでに本人が署名押印した申請書を窓口に提出しに行くだけの人は、使者に近い立場です。一方、内容を相手と話し合って決め、本人の名で契約書に署名する人は代理人です。
この区別は、窓口の運用では必ずしもはっきりしません。たとえば、戸籍謄本等や住民票の写しの請求では、請求者と異なる人が窓口に来る場合、請求者の依頼によることを明らかにする書面を提出することが法令で求められています(戸籍法10条の3第2項、住民基本台帳法12条4項)。書類を取りに行くだけでも、書面が必要になる場面があるということです。委任状が必要かどうかは、書面の呼び名ではなく、提出先の案内で確かめます(官公署の手続の委任状)。
承諾書は、相手の求めに応じて承諾する書面
「承諾」という言葉は、法律上、少なくとも二つの場面で使われます。一つは、契約の成立の場面です。契約は、申込みに対して相手方が承諾をしたときに成立します(民法522条1項)。もう一つは、他人が何かをするために、その人の承諾が必要とされる場面です。たとえば、賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、賃借権を譲り渡したり、借りている物を転貸したりできません(民法612条1項)。債権の譲渡についても、債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗できないという規定があります(民法467条1項)。
承諾書は、この二つ目の場面で、承諾する立場の人が出す書面として使われることが多いものです。承諾を求める側が書面の文案を作り、承諾する側が署名だけをする形も一般的です。そのため、承諾の対象が広く書かれたり、将来の変更にも承諾が及ぶように読める書き方になったりしやすい点には注意が必要です。承諾書の型は承諾書の書き方で、承諾の取り付け方は承諾書の取り付け方で整理します。
同意書と念書:説明後の了解を残す書面と、一方が差し出す約束
同意書は、説明を受けたうえでの了解の記録
同意書は、署名する人が、内容の説明を受けたことと、それを理解したうえで了解したことを残す書面です。法令が「同意」を要件としている場面も多くあります。未成年者が法律行為をするには、原則として法定代理人の同意が必要です(民法5条1項)。個人情報の分野でも、あらかじめ本人の同意を得ないで利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱うこと(個人情報保護法18条1項)や、個人データを第三者に提供すること(同法27条1項)が、原則として制限されています。
一方、事業者が利用者や参加者から取る「リスクを理解して参加します」という同意書は、法令が同意を要件としているわけではなく、説明をしたという事実と、リスクを受け入れた意思の記録として働きます。ここで注意したいのは、同意書に署名してもらえば、事業者の責任がなくなるわけではない点です。事業者の債務不履行によって消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項は、無効とされています(消費者契約法8条1項1号)。同意の記録と、責任を免れる約束は、別のものとして書き分ける必要があります。この点は同意書の書き方で詳しく扱います。
念書は、一方が差し出す約束
念書は、約束をする人が、その内容を書いて相手に差し出す書面です。「念のため書面にしておく」という言葉から、契約書ほど重くないと受け止められがちですが、法的な重さは題名では決まりません。中身が約束であれば、それは約束としての意味を持ちます。たとえば、贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって効力を生じます(民法549条)。書面によらない贈与は、各当事者が解除できます(民法550条)が、書面にした約束は、この規定による解除の対象になりません。念書のつもりで書いた「差し上げます」という一文が、解除できない約束になることがあります。
念書の書き方や、念書に盛り込まれることの多い違約金などの論点は、このガイドでは深掘りしません。ここでは、念書が「一方が差し出す約束」であり、委任状・承諾書・同意書とは差し出す人の立場が違う、という整理にとどめます。
題名より中身で効力が決まる:書面は証拠であり、混ぜた書面は見分けにくい
書面がなくても契約は成立する。書面が効力の要件になる場面もある
民法は、契約の成立について、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を要しないとしています(民法522条2項)。このため、委任状や承諾書や同意書がなければ、代理も承諾も同意も存在しない、とは限りません。書面は、あとから「確かに頼まれた」「確かに承諾した」「確かに説明を受けた」と確かめるための証拠として働きます。
一方、書面でしなければ効力が生じないと定められている契約もあります。保証契約はその代表で、書面(または、内容を記録した電磁的記録)でしなければ、その効力を生じません(民法446条2項・3項)。承諾書の題名で保証の約束を書いた場合は、その書面が保証契約そのものになり得ます。題名にかかわらず、中身が何の契約や意思表示に当たるかを見る必要があるのは、このためです。
署名や押印は、書面が本人のものであることの推定を支える
民事訴訟では、私文書は、本人またはその代理人の署名または押印があるときは、真正に成立したものと推定されます(民事訴訟法228条4項)。ここでいう「真正に成立した」とは、その書面が本人の意思に基づいて作られたことを指します。推定ですので、反対の事情があれば覆ります。また、署名や押印があることは、書面の内容が正しいことや、有効であることを意味しません。書面の効力は、中身の法的な評価で決まります。署名や押印の扱いは委任状の署名・押印・本人確認で整理します。
一枚に混ぜた書面は、見分けるのが難しくなる
多くの契約書で見られる傾向として、題名は「同意書」でも、本文に、サービスの内容の説明、リスクの了解、責任の免除、個人情報の提供、写真や文章の利用の許諾、費用の精算条件、違約金までが一緒に入っている書面があります。署名する人は「説明を聞いたので署名する」つもりでも、署名した書面の中身は、免責であり、許諾であり、個人情報の第三者提供への同意であるかもしれません。書面の働きが一枚の中で混ざると、署名した人が何に同意したのかが分かりにくくなり、あとで争いになりやすくなります。
書き方の例(一般的な例) 題名と中身がずれた書面の整え方
一枚に何でも入れた同意書
理由同意の対象が項目ごとに見えると、署名した人が何に同意したかを後から確かめやすい。免責は同意の記録とは別の問題で、無効になる条項が混ざると書面全体への信頼が下がるため。
承諾書に、新しい義務が入り込んだ書面
理由承諾書のつもりで署名した人が、思いがけない負担を引き受けた形になるのを防ぐ。書面の働きと題名がそろっているほうが、署名する人にとって読みやすい。
委任状に、承諾や約束が混ざった書面
理由委任状は代理人に権限を与えるための書面で、相手方との約束を書く場所ではない。一枚に混ぜると、代理人の権限の範囲と、本人の約束の範囲が読み分けにくくなる。
書面を取る前、受け取る前に確かめる問い
書面の題名を決める前に、次の問いに答えられるかを確かめます。答えが書面の中にはっきり書かれていることが、書面の分かりやすさにつながります。
確認の問いと理由書面を作る前の五つの問い
誰が、誰に対して、その書面を差し出すのか
差し出す人と受け取る人が決まると、委任状・承諾書・同意書・念書のどれに近いかが分かります。差し出す人が複数いるなら、署名欄も人数分必要です。
その書面で、受け取る人は何をしてよくなるのか
代理人が手続をしてよくなるのか、承諾を得た人が工事や譲渡を進めてよくなるのか、事業者が情報を提供してよくなるのか。書面が与える権限や許可の中身を、一文で言えるかを確かめます。
法令が、同意・承諾・書面を要件にしているか
保証契約のように書面が効力の要件になるもの、未成年者の法律行為のように法定代理人の同意が必要になるものは、形式を欠くと効果が生じません。
いつまで有効で、どうすれば撤回できるのか
期限と撤回の方法が書かれていない書面は、どこまでも効力が続くように読めます。期限と撤回は、書面ごとに書き方が違います(委任状の有効期限と撤回)。
署名した人が、書面の内容を読んで理解できる形になっているか
署名する人が内容を理解していなければ、錯誤や強迫を理由に意思表示が取り消される余地が生じます(民法95条・96条)。分かりやすさは、書面を守ることにもなります。
どの書面にも共通する基本の記載
書面の種類が違っても、署名をもらう書面なら、最低限そろえておきたい記載があります。次の表は、4種の書面に共通する項目と、その項目が欠けたときに起きがちなことをまとめたものです。
4種に共通する基本の記載
| 項目 | 書くこと | 欠けたときに起きがちなこと |
|---|---|---|
| 署名する人 | 氏名、住所。本人が署名するのか、代理人が署名するのかを区別する | 誰の意思表示なのかが分からず、本人の署名の推定(民事訴訟法228条4項)が働くかどうかが争われる |
| 相手方・宛先 | 書面を差し出す相手の名称。提出先が決まっているなら、その名称 | 別の場面に流用され、書いた人の想定しない相手に対して使われる |
| 対象 | 何の手続・行為・情報についての書面かを特定する | 対象が広く読め、署名した人が想定しなかった範囲にまで効力が及ぶように読まれる |
| 日付 | 署名した日。有効期間を定めるなら、期間の始まりと終わり | いつの時点の意思なのかが分からず、期限切れかどうかも判断できない |
| 撤回・変更の方法 | 撤回や変更の連絡先と方法 | 書面が出回ったあとで、やめたい人が相手方に知らせる手段を持てない |
場面によっては、複数の書面が同時に必要になる
ひとつの場面で、複数の書面が必要になることもあります。たとえば、家族のために手続を代わりに進める場面では、手続を任せるための委任状に加えて、子どもの手続なら法定代理人としての同意や署名、個人情報を提供するなら個人情報についての同意が、それぞれ必要になることがあります。この場合、書面を一枚にまとめるのではなく、役割ごとに分けて用意するほうが、受け取る側も署名する側も混乱しません。分けた書面の関係が分かるように、各書面の冒頭に「何の手続のための書面か」を書いておくと、あとから束ねて確認する際にも役立ちます。
書面を受け取る側にとっても、同じ問いは役に立ちます。委任状を受け取るなら、本人が本当に権限を与えたのか、権限の範囲はどこまでかを確かめます。承諾書を受け取るなら、承諾した人が承諾する資格を持っているのかを確かめます。同意書を受け取るなら、同意の前に十分な説明がされたかどうかを、書面の記載から読み取れるようにしておきます。
書面を選ぶときの順序
- 実現したいことを一文にする「代わりに手続をしてもらう」「工事をしてよいと言ってもらう」「リスクの説明を受けたことを残す」など、書面で何を実現したいのかを先に決めます。
- 必要な意思表示をする人を特定する本人なのか、承諾する第三者なのか、説明を受けた相手なのか。署名する人が決まります。
- その人が自分で動くのか、代わりの人が動くのかを決める代わりの人が動くなら委任状の範囲を決め、本人が動くなら承諾書や同意書の対象を特定します。
- 法令が求める形式があるか確かめる書面で行う必要があるもの、法定代理人の同意が必要なもの、本人の同意が必要なものを条文で確認します。
- 期限、撤回、保管を決めるいつまで有効か、やめたいときにどうするか、原本と写しをどう保管するかを書面に反映します。
順序を逆にして、先に書式を決めてから目的を当てはめると、題名と中身のずれが生まれやすくなります。
13のページの読み方:場面ごとの入口
このガイドは、書面の種類ごとに、作り方から取り付け方、期限、トラブルまでを順に整理しています。いま目の前にある場面から、入口を選んでください。
場面から選ぶ読み方
| いまの場面 | 最初に読むページ | 続けて読むページ |
|---|---|---|
| 代わりに手続や契約をしてもらうために委任状を書く | 委任状の書き方 | 代理の範囲、期限と撤回 |
| 代理人の名前や内容を空欄にして渡そうとしている、または空欄の委任状を受け取った | 白紙委任状の危険 | 署名・押印・本人確認 |
| 他人の承諾をもらうために書面を作る、または承諾を求められた | 承諾書の書き方 | 承諾書の取り付け方 |
| 利用者や参加者から同意書を取りたい | 同意書の書き方 | 個人情報の同意 |
| 子どもや高齢の家族の同意・委任を考えている | 未成年者・判断能力が不十分な人の署名 | 委任状の書き方 |
| 役所の手続を人に頼みたい | 官公署の手続の委任状 | 署名・押印・本人確認 |
| 代理人が勝手に契約した、署名した覚えがない、同意を取り消したい | トラブルとよくある質問 | 白紙委任状の危険 |
念書の書き方や、誓約書との違い、違約金の定め方は、このガイドの対象外です。業種ごとの同意書(施術、治療、撮影、ペットの預かりなど)も、別のガイドで扱っています。このガイドは、どの場面にも共通する「書面の作り方」に絞っています。
起きがちなこと
最後に、4種の書面の取り違えから起きがちな場面を整理します。いずれも、書面の題名と中身、差し出す人と受け取る人のずれから生じます。
場面別の起きがちなこと
- 委任状のつもりで承諾書を使った代理人が権限を示せず、相手方が手続を受け付けない。承諾書は承諾した事実を示す書面で、代理権の授与を示すものではない。
- 同意書に署名してもらえば責任がなくなると考えた責任の全部を免除する条項は、消費者契約では無効とされる(消費者契約法8条1項)。同意書は説明をした事実の記録にとどまる。
- 念書を軽い書面と考えて書いた書面にした約束が、解除できない約束や、返済や支払いの約束として扱われる。題名が軽くても、中身の重さは変わらない。
- 題名だけ変えて使い回した前の場面の条項が残り、今回の場面とずれる。署名する人が、関係のない義務を引き受けた形になる。
- 署名や押印があるから安心だと考えた署名や押印は成立の真正を支える推定にとどまり、内容が有効かどうかは別。署名した人が内容を理解していなければ、取消しの主張を受ける余地がある。
- 書面が一枚に混ざった同意の対象が分からず、あとで「そこまで同意していない」と言われる。項目ごとに分け、同意欄を設ける。
よくあるご質問
委任状と承諾書は、どちらを使えばよいですか。
自分の代わりに手続や契約をしてもらうなら委任状、相手から求められた行為に「いいですよ」と答えるなら承諾書です。代理人に権限を与える書面か、他人の行為を認める書面かで分かれます。迷ったときは、書面を受け取る人がその書面でどんな行為をするのかを言葉にして、代理か承諾かを選びます。
同意書と承諾書は何が違いますか。
承諾書は、相手の求める行為や申込みに対して認める書面です。同意書は、説明を受けたうえで内容を理解して了解したことを記録する書面です。法律上は「承諾」と「同意」が別の言葉で使い分けられている場面も多く(たとえば未成年者の法律行為には法定代理人の同意、賃借権の譲渡には賃貸人の承諾)、どちらを使うかは、根拠となる条文の言葉に合わせるのが基本です。
念書は、契約書より効力が弱いのでしょうか。
効力は題名では決まりません。念書でも、約束の内容が書かれていれば、その約束としての意味を持ちます。たとえば、贈与の約束を書面にすると、書面によらない贈与のような解除(民法550条)はできなくなります。軽く考えず、書いた内容がどんな法的な意味を持つかを確かめてください。
書面がなければ、代理も承諾も同意も無効ですか。
そうとは限りません。契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面は要りません(民法522条2項)。ただし、書面がないと、あとから確かめるのが難しくなります。また、保証契約のように、書面でしなければ効力が生じない契約もあります(民法446条2項)。
一枚の書類に、委任・承諾・同意をまとめてもよいですか。
法律上は禁止されていません。ただし、署名する人が何に同意したのかが分かりにくくなり、あとで争いになりやすくなります。書面を分けるか、一枚にするなら項目ごとに内容を分けて、それぞれに同意の欄を設けると、分かりやすさが保てます。
あわせて読みたいページ
本ページは一般的な情報提供です。個別の場面への当てはめは、書面を出す相手、手続の種類、当事者の関係によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、契約書作成の実務でよく見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は現行の規定にもとづいて書いています。官公庁の手続の様式や必要書類は、提出先の案内で確認してください。参考: e-Gov法令検索 / 個人情報保護委員会 / 法務省 / 消費者庁